大手不動産会社の正社員 渡辺直人さん(28)の場合

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<プロフィール>
●名前:渡辺直人さん(仮名)
●職業:大手不動産会社の正社員
●年齢:28歳
●最終学歴:関東地方の私立大学卒
●推定年収:500万円
●生息域:吉祥寺や新宿の大衆居酒屋
●行動特性:物おじしない性格で、見知らぬ人とすぐに仲良くなる
●好物:友だち、筋トレ
●好異性:僕のことに興味がなさそうだけど、僕にだけ優しい女性

有り余るコミュ力。細身イケメンの驚愕恋愛秘話

「すみません、企画のコンセプト的なものを1個もらってもいいですか? それに合わせてしゃべります! あ、写真を撮るならば輪郭だけで真っ白になったとしてもカッコ良く見えるようにしてください」

ここは都内のホテル内にあるラウンジです。平日の仕事帰りにインタビューに応じてくれたのは、大手不動産会社に勤務する渡辺直人さん(仮名、28歳)細身のスーツ姿が良く似合う優しげなイケメンです。しかし、挨拶を交わした後は彼の独特の人柄に気づきました。親切なんだけど図々しく、軽いようでいて真面目。つかみどころのなさが妙な魅力を放っています。

直人さんの特技は見知らぬ人と仲良くなること。ある大雪の日、自宅のアパート近くの路上で立ち往生していたタクシーを後ろから押してあげたそうです。そのときに一緒に押していた若者は、近所の実家に住む専門学生。そのまま仲良くなり、毎日のように遊ぶ仲になりました。直人さんはすでに社会人で、アパートに一人暮らしなんですよ。普通、自分の出身地でもないところで地元の若者と仲良くなれますか? 尋常の人懐っこさではありません。さらに直人さんはこの専門学生から恋人候補を紹介してもらいます。それが今の彼女です。

直人さんの不思議なペースに巻き込まれてしまう前に、彼の日常生活を聞いておきましょう。

独特の性格が垣間見える日常生活

「朝は6時半起きです。朝ご飯を食べたいけれど、時間がありません。パンでもあれば食べるのですが、前日に買っておかないんですね。学生時代から同じパターンです」

直人さんは学生時代から同じアパートに住み続けているため、勤務先まではドアツードアで50分ほどかかります。出社は8時半ごろ。自分の席でのデスクワークが中心です。

「外注先の企業や上司のスケジュール次第の仕事なので、待っている時間が多いですね。自分が早く仕事を進めたくてもなかなかできません。こないだも上司の承認を得るために3時間も残業してしまいました」

ちなみに昼食も夕食も会社近くのカフェでチョコレートパンを買って食べることが多いとのこと。しかも、「チョコレートパンが好きなわけじゃない」と直人さん。わけがわかりません。

「週末はバンドメンバーと集まって飲むことが多いですね。中学校時代からの男友達でバンドを組んでいますが、去年は一度も楽器を触っていません。そんな1年にしようとみんなで話し合って決めました。川下りやスノボを楽しんでいます」

それはもはやバンドとは言えません。単なる遊び仲間です。でも、突っ込んだりすると直人さんが嬉しそうな顔をするのでスルーして、彼の恋愛事情を聞くことにしましょう。

直人さんは黙っていればモテそうな男性ですが、合コンなどの出会いの場が苦手だと告白します。やたらに人懐っこいのになぜなのでしょうか。

恋も交友関係も、極力フラットに

「合コンに来るような女の子が好きじゃないからです。彼氏を作りたくてがっついている気がしてしまいます。そもそも女性との関係は恋愛が絡むものであってほしくありません。僕に(男性としての)興味を持ってほしくない。お互いに変な意識をしない関係、気を遣わなくていい関係がいいんです」

少しだけ直人さんの性格と信条がわかってきた気がします。人間関係をできるだけフラットにして、年齢や性別などにこだわらずにいろんな人と楽しく交流したいのですね。

でも、ちょっと矛盾がありますよ。「合コンに来るような女の子は好きじゃない」と言いつつ、自分も近所の専門学生に彼女候補を紹介してもらっているじゃないですか!

「普段はそんなことしません。あのときは学生時代から4年間も付き合っていた彼女に振られてしまって、失意のどん底にあったんです。生まれて初めて紹介してもらいました」

紹介してもらったのが、4歳下の美香さんです。当時、美香さんは大学生。イケメン社会人の直人さんに一目惚れしたのでしょうか。

「違います。後から聞いたのですが、最初は僕のことが怖くて気持ち悪かったそうです。すぐにふざけたりはぐらかしたりするので得体が知れない男だと思っていたみたいですね。最初の2カ月ぐらいは毎日のように『さっさと別れたい』と思っていたと教えてくれました」

しばらく付き合っていると、直人さんの誠実な本質がわかって安心した美香さん。今では直人さんしか知らない「ふざけた顔」を見せてくれるそうです。それが直人さんは嬉しくて仕方ありません。

「彼女は料理好きなので、お弁当を作ってほしいと思って頼んだことがあります。でも、はっきり断られました。彼女は天邪鬼でもあるので、僕が何かをお願いすると必ず『ヤダ』と言うんですよ。一緒に住むようになったらお弁当を作ってくれるのかな…」

ニヤニヤしながらぼやく直人さん。美香さんの家族とはすでに仲良くなっていて、長期休暇のたびに美香さんのおばあさん宅に泊りに行き、お小遣いをもらっちゃったりしているそうです。人懐っこいにもほどがあります。

チョコパンのように甘い新婚生活は、まだまだ先

結婚の話題もたまに出ます。でも、彼女はしばらく結婚したくないと言っています。すごく心配性なので、もっとお金を貯めてからじゃないと不安みたいです。僕も一人時間が好きなほうなので、それでかまいません。結婚すると一人の時間が少なくなってしまいますからね」

とはいえ、いずれは美香さんと結婚して家庭を築くことを想定しているようです。大きな理由の一つは「子どもが好きだから」。

「僕は子どもに(精神年齢を)合わせられます。むしろ僕は大人ではなく子どもの側にいる気がします。一人っ子や末っ子っぽいと言われがちですが、僕は長男ですよ。でも、弟のほうがちゃんとしていて長男みたいです」

子育てだけでなく、自分自身の健康のためにも早めに結婚したほうがいいかもしれませんね。好きでもないチョコレートパンばかりの食生活では30代のうちに病気になりかねません。近い将来、幼い息子や娘と一緒になって遊んで、しっかり者の美香さんから叱られている直人さんの姿が目に浮かぶようです。

今回の独身くん 婚活フィールド×理想の女性パターン

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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