広告代理店のディレクター 岡本さん(32)の場合

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<プロフィール>
●名前:岡本雄介さん(仮名)
●職業:広告代理店のディレクター
●年齢:32歳
●最終学歴:関西地方の中堅私立大学
●推定年収:420万円
●生息域:名古屋市内の飲み屋、デパート
●行動特性:エンジンがかかるのに時間がかかるが、一度何かを始めたら集中する
●好物:洋服
●好異性:自分と違う分野でしっかり働いている専門職の女性

遠距離恋愛中の制作マンが結婚に踏み切れない理由

名古屋駅前にある商業施設に入っている喫茶店で、広告代理店の正社員として働く岡本雄介さん(仮名、32歳)と会っています。原色のセーターが目を引きますが、上手な着こなしなので違和感はありません。都会的な雰囲気が漂う男性です。

雄介さんは3年前に東京から人事異動で名古屋配属になったとのこと。僕も5年ほど前に東京から愛知に引っ越してきたので、なんだか親しみを感じます。雄介さん、名古屋の住み心地はいかがですか?

「ほどよい都会でいいですね。洋服を買いに行ける店も多いし、大学時代の友だちなどが出張などで寄ってくれることもあります」

雄介さんは名古屋駅まで歩いて行ける範囲にあるワンルームマンションに家賃5万円で住んでいます。会社までもドアツードアで20分。がんばれば歩けます。通勤の苦労はほとんどありません。

「うちの会社は家賃補助がないので家賃が安いのは助かります。東京に住んでいたときは、もっと会社まで遠いマンションで8万5千円も払っていました」

毎月3万5千円の差は大きいですよね。僕も東京を出たときは同じようなことを感じました。家賃は固定費なので、知らず知らずのうちに精神的な重荷になっていたのです。仕事があり、孤立しないのであれば、地方のほうが気楽に暮らせるのではと僕は感じています。

ただし、雄介さんは東京の「匿名性」が恋しくなることもあります。プライベートでは一人でボーっと散歩していることも多く、そういう姿を知り合いに見られたくはないとのこと。確かに、東京の雑踏を歩いていると自分の存在が良くも悪くも透明になっていく感覚があります。西日本出身の雄介さんですが、大学卒業後は東京で「フラフラしていた」時期が長かったそうです。

目標は管理職。30歳を過ぎた今は仕事モード

「友だちと2人で都心のアパートに住んで、毎日のように飲み歩いていましたね。そのときは別の会社で働いていたのですが、給料はすべて飲み代に使っていました」

遊び尽くした後、「そろそろ正社員としてちゃんと働かないと」と思ったという雄介さん。20代後半になっていました。現在の会社に中途入社をし、ちゃんと働いています。当面の目標は管理職に昇進することです。

出社は10時なのに雄介さんは毎朝6時頃に起床しています。昇進を目指して資格試験の勉強でもしているのでしょうか。

「違います。僕は寝起きがすごく悪くて、起きてから『自分になる』のに1時間ぐらいかかるんです。テレビも見ずに、タバコを吸いながらボーっとしています。それから風呂に入り、コンビニでパンを買って出社です。パンは会社のデスクで食べます」

一人で20社以上の顧客企業を担当している雄介さん。毎月、広告を制作して掲載する仕事をしているため、月の前半は企業の担当者との打ち合わせを重ね、後半で広告を作っていきます。年末は顧客の繁忙期に当たるため、打ち合わせがずれ込むことも多く、月の後半は深夜まで働くことも少なくありません。僕が雄介さんに会ってもらったのは11月末の土曜日。かなりお忙しい時期でしたね。すみません……。

「いえ、土日はしっかり休めているので問題ありません。むしろ、土日の両方とも予定がなかったりすると寂しかったりします(笑)。一人で過ごしたくないときに限って、友だちが誰もつかまなかったりするものですよね」

雄介さんは時間があるときは夕食も自分で作り、その残り物をお弁当にして会社に持っていきます。太りやすいこともあり、お米はあまり食べません。月に1、2回はスポーツジムに行って体を動かしています。

出会い系アプリで知り合った彼女。結婚願望はあるが…

住環境も生活リズムも悪くなくて、仕事にも精を出している雄介さん。独特の雰囲気があり、僕の話もちゃんと聞いてくれます。モテそうです。恋愛はしていないのでしょうか。 「東京に彼女がいます。5歳年下の公務員です。いつもはすごく優しいけれど、1回怒ると1か月ぐらい機嫌が悪い。情緒がちょっと不安定ですね」

ただし、彼女の利恵さん(仮名)を怒らせているのは雄介さんです。今でも平気で女の子と遊んでいることがバレていて、SNSなどをチェックされているとのこと。雄介さん、利恵さんを不安定にさせているのはあなたです。遠距離恋愛なんだから心配をかけちゃいけませんよ。

利恵さんとの出会いは3年前に試した無料アプリ。遊び半分で10人ぐらいと会ってみて、唯一「楽しい」と感じたのが彼女だったそうです。遠距離恋愛になった今でも月に1回は東京か名古屋のどちらかで会っています。いっそのこと結婚して一緒に住んだらどうでしょうか。

「僕も彼女も子どもが欲しいので、将来的には結婚する方向で話をしています。でも、不安はあります。結婚してから自分の気持ちが冷めてしまったらどうしよう、収入をもっと上げてから結婚したい、そもそもどこに住むのか、などです」

名古屋での暮らしが気に入っている雄介さんですが、また別の都市に転勤をする可能性もあります。中国地方の某県には実家があり、長男の雄介さんは「家が欲しいのでいつか戻る」ことも考えています。

結婚のタイムリミットまで、あと3年

「彼女は関東出身です。彼女の両親と会ったときに、『あんまり遠くまで娘を行かせたくない』とはっきり言われました。名古屋までならギリギリOKみたいです」

雄介さんによれば、同じ事務所で働く同僚は6割が未婚。平均年齢は男女ともに20代後半です。

「女性は結婚して退職したいという人が少なくありません。夜遅くなることも多い仕事なので長くは続けていけないと思っているのでしょう。男性は仕事上での野心がある人が多くて、結婚はあまり考えていないみたいです」

雄介さん自身、「35歳までに結婚できなかったら一生独身でもいい」と思っています。目標を立ててある程度の努力をして、達成できなかったら「もういいや」と投げ出してしまう変な癖があるのだそうです。

仕事、年収、親の意向、住む場所……。悩み始めるときりがないですよね。「本当にこの人が結婚相手でいいのか。後から後悔しないのか」も根源的な問題だと思います。一度、利恵さんと腹を割って語り合ってみたらどうでしょうか。

今回の独身くん 婚活フィールド×理想の女性パターン

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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