IT企業のシステム開発担当社員 増田さん(28)の場合

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<プロフィール>
●名前:増田治夫さん(仮名)
●職業:IT企業のシステム開発担当社員
●年齢:28歳
●最終学歴:都内の有名大学院卒
●推定年収:600万円
●生息域:ラゾーナ川崎(川崎駅直結の商業施設)、夜中の上野公園
●行動特性:はてしなく続く仕事の合間に、散歩、ランニング、買い物で気晴らし
●好物:書店、小説
●好異性:おっとり&ぽっちゃり系の女性

仕事漬けのアラサーエンジニアに春は来るのか!?

ちゃんと働いて稼いでいる独身男性を訪ね歩き、その生活ぶりや恋愛・結婚への意欲を聞き取る本連載。登場してくれるのは忙しいところに時間を割いてインタビューに応じてくれる男性たちなので、親切で好奇心旺盛で会話上手な人がほとんどです。それなのに長い間恋人がいないと聞いたりすると、「オーネットに登録したらきっと3ヶ月以内に相手が見つかりますよ」と冗談交じりにオススメしちゃったりします。

大手IT企業でシステム商品の開発・運用を担当している増田治夫さん(仮名、28歳)もその一人。こちらの質問に真摯に応じてくれつつ、話しながら唐突に「アッハッハ!」と大声で笑うのです。照れ隠しなのかもしれませんが、独特の愛嬌を醸し出しています。年上の僕は、しっかり者の優しい女性が彼を見つけてくれたらいいな、などと感じてしまいました。

九州出身で4人兄弟の三男として育った治夫さん。家族の結束は強く、今回のインタビューもお兄さんからの紹介で実現しました。仕事ばかりしている弟を心配しているようです。

治夫さんはいま、おばあさんが住んでいた東京郊外の一軒家で一人暮らしをしています。会社まで1時間20分もの通勤時間がかかっていますが、空き家にしておくと家が傷んでしまうので、お父さんの指示で住み続けているのです。

家賃はゼロなので助かっています。でも、いつかは浅草などの下町で住んでみたい。毎日屋台が出ている町って楽しそうだからです」

職場の女性を恋愛対象として見られない理由

ちょっとユニークな嗜好の持ち主である治夫さん。会社員としては、システムを開発するだけでなく、顧客企業がちゃんと活用できるための作業も担当しています。膨大な仕事量に追われる日々です。朝8時に出社して、23時過ぎまで会社にいても仕事は残ってしまいます。

「顧客の担当者も遅い時間まで働いているので、それに合わせてこちらの労働時間も長くなります。遅くまで働いているのは僕たちの部署だけではありません。営業部も同じです。客先に出向き、会社に戻って上司の指示を仰ぐ、の繰り返しですね」

30代40代の既婚者が中心の開発部とは違い、営業部は20代が多く、男女比率も半々。この数カ月間は遊ぶ暇もないほどひたすら働いていますが、普段は仲良く飲みに行くことも多いそうです。社内恋愛&結婚が増える土壌が整っていますね。

「自由な社風だと思われがちな会社ですが、実際は違います。上司はとても厳しいし、成果を上げることが一人ひとりに強く求められます。忙しい時期にはプライベートはほとんどありません。だから、社内での結束が高まるのだと思います」

日常を忘れさせてくれる癒し系の女性が理想

治夫さんによれば、このような環境で生き抜いている営業担当の女性は「キレイだけど気が強い」人が多いそうです。気の優しい治夫さんは圧倒されてしまっています

「以前はキレイな人が好きでした。性格を問いません。それが本音でした。でも、今は心が動きません。キレイな人は細かくて気が強くて面倒臭いことが多いですよね。疲れているときに付き合い切れません。カッコつけなくてもいい、ポッチャリ&おっとり系女性の魅力がわかるようになりました」

インタビューの途中ですが、ちょっと反論していいでしょうか。職場にいるキレイな女性たちが「気が強く」見えるのは、気を抜けない仕事に対して必死になっているからです。言い方がきつくなることも多いでしょう。若い頃から一つの会社に長くいると、社風に染まってしまうこともあります。でも、その姿を彼女のすべてだと思うのはちょっと短慮というものです。仕事を離れたり、会社を辞めたりすると、また別の姿が見えて来ます。気弱で心優しい一面もあるかもしれません。

私見ですが、職場では気が強く見えるほど懸命に働いている女性は、結婚相手としても頼りがいがあります。結婚生活は「おっとり系の女性に癒される場」ではありません。住居、教育、仕事、親の介護などの点を話し合い、力を合わせて乗り切っていくのです。治夫さんは社内でしっかり者の女性を見つけ、見つけられるのが一番だと思うのは僕だけはではないでしょう。

過去にはほろ苦い経験も…好きな人ができる自信がない

聞けば、見るからにお人よしな治夫さんは合コンで出会った女性から騙されそうになった経験があります。LINE交換をした美人から積極的なアプローチを受け、何度かデートをした後、あるイベントに誘われたそうです。そこには彼女の「ボス」が待っていて、治夫さんをマルチ商法に勧誘して来たのでした。

「なるほど勉強になりました、少し考えさせてもらいます!と叫んで部屋を出ました。危ないところでした……」

学部生の頃に「ギャルっぽい女性」と1年間だけ交際していたと振り返る治夫さん。その後は大学院での勉強と会社での仕事漬けの生活を送っています。

「最初は寂しかったのですが、今では一人暮らしに慣れてしまいました。いま、寂しさを感じている暇もありません。結婚したいと思わなくちゃいけない年齢だとは思いますが、危機感が欠落しています。結婚生活のイメージがわかないんです。恋人はほしいですけどね。でも、本当に好きな人ができたら結婚を考えると思います。30代のうちに結婚できたらいいかなあ」

治夫さんは「本当に好きな人」と今までに1度だけ巡り合ったことがあるそうです。それが地元の高校に通っていた頃のこと。付き合うことはできなかったけれど、大好きになった同級生とよく遊んでいたそうです。楽しかったな、と遠い目をする治夫さん。「あのときのように好きな人がまたできるのか自信がありません

しつこいようですが、最後にもう一つアドバイスをしてもいいでしょうか? まず、高校時代の片想いは美しい思い出として心の片隅に保管しておきましょう。ちゃんと目を向けるべきは過去ではなく現在の「同級生」ですよ。具体的には、一緒に働いている同僚の女性です。

さきほど書いたように、懸命に働いている女性たちの中には、治夫さんとの相性がいい人もきっといるはずです。見た目の美しさだけでなく、賢くて愛情深い女性を探しましょう。そして、こちらから食事に誘い、普段の仕事ぶりをねぎらうのです。同僚からの「いつもがんばっていますね」との一言はとても嬉しかったりするものですよ。

素直で愛嬌がある治夫さん。なんだか放っておけない気持ちになります。公私ともに幸せになってほしいです。

今回の独身くん 婚活フィールド×理想の女性パターン

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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