大手製造小売り企業 小島さん(26)の場合

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<プロフィール>
●名前:小島健一郎さん(仮名)
●職業:大手SPA(製造小売り企業)の正社員
●年齢:26歳
●最終学歴:関西の有名私立大学卒
●推定年収:620万円以上
●生息域:銀座、有楽町、表参道
●行動特性:いろいろな業務をやり、いろんな場所に住む(全国転勤OK)
●好物:映画、買い物(特に洋服)
●好異性:口が大きな女性、自分と価値観が合う女性

同郷の4年以上付きっている彼女と結婚しない理由

「面白い話はできません。私なんかでいいのでしょうか?」

しきりに遠慮しながらも、穏やかな笑顔でインタビューに応じてくれるのは、大手SPA(製造小売り企業)の管理部門で働いている小島健一郎さん(仮名、26歳)です。白のハーフパンツに濃い青色のシャツが、スポーツマン系の体格に似合っています。手には素材感のあるクラッチバッグ。オシャレです。趣味の一つが買い物で、休日は彼女と一緒に銀座や表参道を歩くことが多いとのこと。

小島さんは新卒で現在の会社に入り、最初の2年間は地方都市で倉庫や店舗の現場スタッフとして働いていました。思い切りのいい働きぶりが評価されたのか、管理部門の重要なポジションに抜擢され、首都圏にある本社で忙しい毎日を過ごしています。春と秋は繁忙期で、月の半分ぐらい国内各地に出張している時期もあるそうです。しかし、疲れた様子はありません。

「毎朝8時には出社しています。メールチェックをした後の仕事内容は毎日のように変わるのですが、入社した頃に比べるとやれることの幅が広がったと感じています。自分の成長を実感できるのは嬉しいことです。特に、(売り上げなどの)数字を変えていく力が少しは身についた気がします。とりあえずがんばるのではなく、原因を追求したうえで改善をする。そのロジックが大事なのですね。毎週、上司に業務報告書を提出してきた積み重ねが力になっているのだと思います」

仕事が落ち着いている時期は20時には会社を出られます。同期や先輩と一緒に居酒屋やラーメン屋に行き、帰宅をしたらテレビを観て就寝。最近は運動不足を自覚しており、週3回はスポーツジムに行ってランニングをしているそうです。

社内評価は高いも、仕事では悩み続けている

住む場所にはこだわりがなく、「どこにいるか」よりも「何をするか」が大事だと説く小島さん。では、小島さん自身はどんな仕事がしたいのでしょうか。

「就職活動中の学生に聞かれたら、製造部門でモノづくりに関わりたいと話しています。でも、正直に言うと自分が何をしたのかはわかりません。目の前にいる人、例えばお客さんや職場の仲間を大事にしていれば少しずつわかってくるのかな、と考えています」

小島さんの両親は地元で中小企業を経営しています。長男である小島さんは跡取り息子として期待されているそうです。しかし、親が敷いたレールの上を歩くことに反発し、大学4年生の夏から遅い就活を開始。優秀な小島さんは3つの大手企業から内定をもらい、現在の会社を選びました。

「就職活動は1カ月間だけでした。周囲の人に比べて、しっかり悩んでから入社していないというコンプレックスがありました。現場の仕事は思った以上に過酷だったのもショックでした。ありがたいことに社内評価は高いのですが、自分自身は『こんなんでいいのかな』と悩み続けています。最近は少しは自信がついてきましたが……」

傍目には堂々としているように映る小島さん。実際は、子どもの頃から良家に生まれ育ったことでの葛藤があったと明かします。

「親がすごく真面目で厳しいので、やんちゃな服装や行動は絶対に許されませんでした。中学生の頃はそれが悩みでしたね。高校生のときに友だちの紹介で知り合ったのが今の彼女です」

就職してから3年半の遠距離恋愛を乗り越えて

小島さんによれば、彼女の真央さん(仮名、25歳)とは「育ち方」から「顔」に至るまですべてが似ています。お互いに実家が自営業であり、長男長女であるため、親からのプレッシャーが強いという共通点があるのです。お互いが高校生のときに知り合い、小島さんが大学4年生の頃から付き合い始め、就職してからの3年半は遠距離恋愛をして来ました。同郷の真央さんも大学卒業後に上京。就職をし、現在は営業担当者として活躍しています。

「経験から言えば、遠距離恋愛に問題はありません。最初の頃は定型業務のように毎日電話をしていたし、2ヶ月に1回ぐらいは会っていました。どちらかの家に1週間ぐらい泊りに行く、というパターンです。今はお互いに東京で暮らしているので週1ペースで会っています。買い物をしたり、外食に行くことが多いですね。毎日連絡を取ることはとっくの昔になくなりました(笑)

距離が離れていても、毎日連絡を取り合わなくても、2人は強い信頼関係で結ばれているのです。小島さんの淡々とした話し方からそのことが伝わって来ます。

小島さんは爽やかな風貌で感じが良く、仕事もできる男性です。しかも、裕福な実家があります。合コン好きの先輩から頻繁に誘われるとのこと。小島さんはすべて断っています。といって、今のところ真央さんと結婚する話も進んでいません。

「会社の同期は男女ともに半分ぐらいは結婚しています。社内結婚と学生時代からの彼氏彼女との結婚がほとんどですね。就職活動中に出会ったキャビンアテンダントと結婚したヤツもいます。いわゆる就活ラブです」

一方で、小島さんが親しくしている男友だちは誰も結婚していません。それどころか真剣な恋愛すら今は求めていないようです。週1ペースで合コンをしたり、クラブなどでナンパをしたり。自由恋愛を楽しんでいます。モテるタイプの人たちなので、遊びと仕事にまい進することに夢中で、生活を落ち着けることには気持ちが向いていないのでしょう。

彼らは20代半ば。まだまだ青春を謳歌しているのです。

ようやく自信がついたから、来年結婚を考えたい

小島さんはどうなのでしょうか。上京してから2カ月間は、真央さんが「週5」で泊りに来てくれて、小島さんの部屋で半同棲の生活をしていました。でも、当時は繁忙期だった小島さんは朝7時に出て24時近くまで帰って来られない日々。生活リズムが合わず、狭い部屋での2人暮らしはお互いに大変だと感じたそうです。

一緒に住みたくないわけではありませんが、結婚するまでは別居でいいかなと思っています」

とはいえ、真央さん以外に結婚相手は考えられませんよね。今すぐに踏み切らない理由を教えてください

「社会人になるときに決めたことがあります。一つでも自信をつけてから結婚する、ということ。今、ようやく自信がついてきたところです。月の半分も出張するような働き方は来年で終わると思うので、そのときが結婚を考えるタイミングかなと思っています」

僕の勝手な推測ですが、結婚の次に子育てのタイミングが来たら、2人は地元に戻るのではないでしょうか。「どこで働くかよりも何をするかが大事」なのだとわかったいま、小島さんは家業というフィールドでも力を発揮できるからです。跡取り息子である小島さんでしかできない仕事は大企業よりも家業にあると個人的には思います。真央さんも喜んで賛成してくれるでしょう。

今回の独身くん 婚活フィールド×理想の女性パターン

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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