機械商社の営業マン 大野さん(26)の場合

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<プロフィール>
●名前:大野純一さん(仮名)
●職業:機械商社の営業マン
●年齢:26歳
●最終学歴:九州の国立大学卒
●推定年収:500万円以上
●生息域:有楽町や新橋の居酒屋
●行動特性:みんなでワイワイと遊んだり働いたりするのが好き
●好物:スポーツ観戦、ゴルフ、旅行
●好異性:何でも「うん、うん」とは聞いてくれない、ちょっと変わったタイプの女性

親友にもし彼女ができても、僕とも遊んでほしい

「お仕事はですね、商社です。大きな機械を売ってます。営業です」

ここは東京・丸の内の新丸ビル内にあるレストラン。向かい合っているのは、専門商社の営業マンをしている大野純一さん(仮名、26歳)です。自分のことを話しているのに「お仕事」なんて言ってしまうあたり、緊張しているせいなのかコミカルな表現なのかわかりません。でも、ハキハキと一生懸命に受け答えをして、純朴で明るい性格が伝わって来ます。年上から可愛がられそうな男性です。

九州で生まれ育った大野さんは、就職してからは九州内の営業所に配属になりました。学生時代から2年弱お付き合いしていた恋人のAさんは卒業後に別の県にある実家に戻ることに。遠距離恋愛は長続きせず、別れることになってしまいました。以来、恋人はいません。大野さん、参考までにAさんと付き合うことになったきっかけを教えてください。

「山の上で夜景を見ながら、です!」

ええっと、それは告白のシーンですよね。大野さん、少しおっちょこちょいだな……。僕が聞きたいのは交際に至るまでの経緯ですよ。

「4年生の夏に、仲のいい女の子(Bさん)とそれぞれ友だちを誘って遊びに行くことになりました。みんな同じ大学の同級生です。僕は男友だち、その子は女友だち(Aさん)を連れて来て、4人でコテージに泊まってBBQをしました。先にBさんと僕の友だちが付き合い始めたんです。Aさんのことはかわいいなとは思っていましたが、最初から好きだったわけではありません。後から、だんだん仲良くなりました。静かな人でしたね」

大学生の最後の夏に男女2人ずつでコテージに泊まる――。うらやましいほどの青春メモリーですね。それで恋人ができて2年間も付き合えたのだから言うことはありません。

美しい思い出は九州に残し、大野さんはいま、東京での仕事と遊びに夢中です。恋愛や結婚は「もう少し先のこと」と考えています。

「ゴールデンウィークは、女友だちも含めてドライブに行きました。みんなでワイワイと遊んでいるのが楽しいですね。関東地方にも有名な温泉がいろいろあるので1つずつ行ってみたいと思っています」

休日は、東京にいる九州出身の仲間と集う

東京郊外の借り上げマンションで一人暮らしをしている大野さん。都心にある営業所まで電車で1時間のところにあるため、朝7時半には起きないと9時の出社時間には間に合いません。早起きが苦手な大野さんは、朝食はとらずに身支度だけして出勤する日々です。

「大きな声では言えませんが、出社してからも1時間ぐらいは頭がボーっとしています。メールチェックなど、頭を使わない作業をするしかありません。その後はちゃんと仕事をしていますよ。週に3、4回は外に出て、案件を進めているお客さんのところに出向くようにしています」

気を遣わなければいけないのは顧客企業だけではありません。仕入れ先のメーカーも大事なパートナーです。大野さんたち商社マンは双方の間に立ち、すべての調整をすることが仕事なのです。

僕は何でもすぐに『わかりました』と引き受けてしまうんです。無理な納期になったりして、仕入れ先からもお客さんからも叱られています」

謙遜しながらも大野さんは前向きな様子。商社の営業マンが性に合っているのでしょう。会社や職業にそれなりの適性があるならば、20代のうちは叱られながら明るく働くべきなのかもしれません。

「会社を出るのは22時を過ぎることがあります。飲みに行くとしても平日は早くて20時スタートですね。会社の人と行くこともあるし、東京にいる九州の仲間と夕方にスマホで連絡を取り合うこともあります」

東京の営業所には同期は他にいません。先輩社員と飲みに行くことはあっても、合コンに誘い合うような関係ではないようです。その代わり、大野さんには固い絆で結ばれた九州の仲間がいます。

親友にも恋人はいませんもし彼女ができても、僕とも遊んでほしいですね(笑)。いいヤツなので僕にも誰か紹介してくれると思います」

先輩と行った街コン。LINEの友だちが増えただけ

上京2年目、大野さんは仲間と連絡を取り合いつつ人間関係を少しずつ広げている段階です。

会社の先輩と一緒に、表参道での街コンに参加したこともあります。僕は1人だと恥ずかしくてグイグイ話せませんが、2人以上での参加なら大丈夫です。60対60ぐらいで、立食でのフリートーク形式でした。いろんな人と会ってLINEの友だちは増えたけれど、ピンとくるような人はいませんでしたね」

話し上手で愛嬌もある大野さんですが、ちゃんと仲良くなるには意外と時間がかかるタイプなのかもしれません。九州に戻れば本当の「友だち」がたくさんいます。恋愛や結婚のチャンスは広がるでしょう。

「いずれは地元に戻りたいという気持ちはあります。でも、九州に戻って何がしたいのかと言われたら答えられません」

一方で、大野さんは「30歳までには結婚したい。落ち着いた生活をして、子どもがほしい」という気持ちがあると明かします。金融や商社などの業界で真面目に働いている20代の男性としてはごく普通の感覚ですね。

仕事が忙しくて疲れて帰って来たときは、家に彼女がいてほしいなと思うこともあります。僕は飲み食いが好きなので、夜に一緒に飲める人が欲しいです。『お疲れちゃーん』と乾杯できたら最高ですね。でも、結婚したら友だちと気軽に遊びに行ったりはできなくなるのかな。そう考えると、彼女は欲しいけれど結婚は少し先でいいと思ってしまいます」

大野さんの理想は、あと3年間ぐらいは東京での独身生活を満喫した後、一緒に遊びながら親しくなった女性と結婚することなのでしょう。だからこそ、自分より3歳以上年上の女性には軽々しく声をかけられないそうです。大野さん、そんなことを言っていると、30歳ではなく40歳ぐらいまで独身生活を送ることになりますよ……。

仕事がまだ不慣れで自信が持てない、もっといろんな人と遊びたい。20代の男性が結婚に躊躇する2大理由だと思います。逆に言えば、「一緒にいると自信とやる気がわいてくる親友」のような女性と出会えば一生のパートナーとして選ぶのかもしれません。大野さんはどんな女性のもとに落ち着くことになるのでしょうか。3年後に再会してみたいです。

あとがき(婚活女子・編集担当)

人脈が広ければ出会いに苦労しませんよね。大野さんの場合、大学と就職の地が異なり、会社には同期や女性がいないとなると、紹介や合コンはないに等しい。彼女がいないのは勤務地のせいもありそうです。一方、プライベートでは、いつも集まる同郷の友がいます。皆、律儀で情に厚い人たちなのでしょう。しかしこの固定された仲良しグループが、彼女が見つからない原因なのかもしれません。人は安定した環境から外へ出ようと思わなくなるからです。

親友に彼女ができたり、もしくは意識的に休日の過ごし方を変えてみたり。今の交友関係に変化があったとき、良い出会いがありそうな気がしますね!

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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