2022年9月30日 14:40
「私、あなたじゃ成長できない」・・・でも、恋人に成長を求めるのはエゴ。本当の愛が何かを考えてみました
「おまえ何様だ?」と言われれば、「エマ様」と返してしまうくらいにはふてぶてしい私ですが、年齢とともに、どんどんまるくなってきたように思います。
それをよく実感するようになってきたのが、「愛する人に対して成長を求めなくなった」ということ。
今回の連載では「パートナーに成長を求めること、の是非」をテーマに書きます。
私はもともと理想の男性像に、「志が高く、向上心がある人」と掲げるくらいには、男性に対して成長や向上心を求めてきました。
正直に言えば、今もそれは変わりません。自らをふるい立たせて、成長し続けている人に魅力を感じるし、志が高い人のことを尊敬します。素直に「カッコいいな」と思います。
だからこそ、自分自身も常に成長していたいし、志を高く持っていたいなと思います。そういう部分があるからこそ、成長意欲を高めてくれるような人に、魅力を感じるのかもしれません。
女性だけではなく、男性も「彼女のがんばっている姿に尊敬を感じる」という人が多いので、「常に成長している人」というのは男女ともに、魅力を感じるのでしょうね。
このように、パートナーが成長する姿に魅力を感じることはいいことなんです。でも恋人に"成長することを求める"ことはまたワケが違います。
恋人に成長を求めること、それはただのエゴです。私自身もそのエゴを押しつける女でした。
そんなエゴ丸出し時代から、エゴを捨て「ただその人を見守る愛」を持つことができた経緯まで、お話ししていきたいと思います。
彼に「このままでいいと思ってるの?」と言わずにいられなかった
私の20代前半の頃なんて、自分も"超"成長期、そして付き合っている同い年くらいの彼も絶賛"夢追い人"。
お互いに「成長していこうね!」という思いがとても強かった。
だから、ちょっと怠けているように感じる彼には「やる気あんの?」「売れようと思ってるの?」「このままでいいと思ってるの?」とズバズバ、グサグサ。
あたりがかなり強かったと思います。
記憶に残っている元彼の中にも、まさにそんな夢追い人がいました。その彼はデザイナーになりたいという夢を持った人でした。
友人のバンドのチラシを作ったり、主催するイベントのデザインを自分でやっていたり、本当に駆け出しの頃。
周りは就職し、中には大企業に入った人もいましたが、彼はデザイナー活動をしている「フリーター」でした。主な収入は飲食店のアルバイト。
デートに行けば、立ち寄った飲食店やショップに置いてあるイベントのチラシやフライヤーを持ち帰っていました。
活動の参考にしていたのだと思いますが、家に置いておいて、見直しているわけでもなさそうな彼に「それ見てるの? 持って帰るのやめたら?」とか言っちゃってましたね・・・。ひどいわ(笑)。
とはいえ、私も彼のことを応援したかったので、知り合いのデザイン会社が「アシスタントを募集している」と聞けば、彼に「ここはどう?」と斡旋するなど、なんとか仕事につながるようなきっかけがないかと、アンテナを張っていました。
実際に私のツテで、デザイン会社のアシスタントとして入社することを、彼は決めました。
結果を出している人と、そうじゃない彼を比べた日々
そのときは私自身も、自分の夢を叶えようと奮闘していたまっ最中。
フットワーク軽く動いて、たくさんの人と出会う毎日。その中で、彼と同い年の人でも仕事で成功している人や、また自分より年下の人でもしっかりしている人などと知り合うわけです。
すでに結果を出している人たちを見ては、なんだか彼のことは「結果が出てない甘ちゃんだ・・・」と感じることも正直ありました。
でもそう感じていたのは、誰より彼自身だったはず。
その夢を叶えるのに、今のルートは正しいんだろうかとか、ここにいて自分自身は成長しているんだろうかと、もがいていたと思います。
上司の理不尽な対応や、少ない給料などに不満を持ちながらも、彼は地道に働いていました。
ですが私はそんな彼を、「励ますより、励まされたいお年頃なんだけどな〜」と思う日々。
彼は成長してるのか? と疑問を持っていたし、実際に言っていたと思います。
そんな中で、彼と一緒に観た映画『モテキ。』で衝撃を受ける場面があったんです。
冴えないモテない主人、森山未來さん演じる幸世くんに、突然の"モテ期"が訪れ、さまざまな恋愛事情が繰り広げられるお話です。
幸世くんにやってきたモテ期では、さまざまな女性が彼に好意を抱きます。その中に、彼にとって最も本命といえる、長澤まさみさん演じるみゆきちゃんという女性がいて。
かわいくて性格も良くて、趣味も話も合うし、デートもするしセックスもしちゃって、いい感じに関係が進んでいきます。
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「私、あなたじゃ成長できない」にハッとした
でもある日、そのみゆきちゃんに付き合っている人がいることが発覚するのね。
その相手というのが、売れているイケメンバンドマン(しかも幸世くんも好きなバンド)だったんです。でも彼は妻子持ちの既婚者。つまり、みゆきちゃんは絶賛不倫中だったのね。
自分の恋人に「付き合っている男がいる」のは当然ショックなのに、さらにその男は既婚者! という事実に幸世くんも発狂するわけ。
もちろんみゆきちゃんもそんな恋愛に未来がないこともわかっているし、自分のことを好きでいてくれて、気も合う幸世くんと付き合う方が幸せだよね・・・とも感じているの。
あるとき、ふたりの間で始まったケンカで、みゆきちゃんは泣きじゃくりながら、幸世君にこう言い放つわけです。「私、幸世くんじゃ成長できない・・・」と。
これには私の心も深くえぐられました。うわあ、同じこと思ってるうううう・・・と。
漫画化されて、映画化されるくらいに、「付き合っている男性に対し、こんな風に『彼じゃ成長できない』と感じる女性ってたくさんいるんだ・・・そしてそういう女はすでに仕上がった歳上の男に心奪われるんだね」と後ろめたい気持ちになりながら、気づかされました。
人はみんな、自分のペースでがんばっている
デザイナーとしての活動を始めて、すぐに売れっ子になれる----そんな夢みたいな話はありません。
デザインの勉強をコツコツ続けて、クライアントからの依頼を少しずつ増やしていきながら、期待を超える仕事をして信頼を勝ち得て、次の仕事へとつなげていくものです。
今になればそれがわかるけど、「自分や周りの人と同じスピードで、結果が出るものだろう」と思ってしまっていた私にとって、彼のペースは遅く感じた。
でも今は? 彼はデザイン会社の中でも話題の、人気のある会社でディレクターとして働いています。誰もが知る有名企業の広告やイベントに関わって力を発揮しているんですよね。
あの頃の経験を糧に、彼は確かに結果を出して成長しています。
そこで思うのは、私が感じていた彼の成長の遅さって、つまりは「私の求める成長の仕方じゃなかった」だけだし、「私の求めるペースじゃなかった」だけだったんだなって。
つまりエゴですよね。彼はあの頃何もしていないわけじゃなかったのに、私の物差しで彼の成長を測っていたわけです。
一方で自分はどうなの? って話ですよ。ぜんぜん甘っちょろかったじゃんって。
そうやって自分の物差しで、恋人に「成長しろ」と求めるのは、ものすごいエゴだったなって思います。
自分のことは自分で考えて、人はそれぞれ生きているものです。自分のペースでがんばっているものなんですよね。人知れずにね。
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「成長を感じないから尊敬できない」はエゴでしかない
今で言えば、夫は私の成長だとかなんとかを、まったく求めてきません。どんな状態のエマちゃんも最高と言わんばかり。
一方で、彼は彼で、自分のお尻を自分で叩いてがんばっています。そんな大きい愛の中で、私は「過去一」と言えるほど、成長スピードを上げています。
「ただ見守っている人がいるだけなのに、成長できてるじゃん」って。見守ってもらう側に立って初めて、そのことを理解できました。
たまに若い子の愚痴でも聞きます。「成長を感じないから尊敬できない」と。
「成長を感じない」と言われている相手を見ると、全然そんなことないんですよね。がんばってるんです。
一方で、「成長を感じない」と言っている本人はどうかといえば、あなたもまだまだじゃないかな・・・? と言えるような人。
ああ、若い頃の自分を見ているようだな、って感じます。
愛とは「その人が存在していてくれればそれでいい」と思えること
仕上がっている人間は、そばにいる人に対して成長を求めないんです。なぜなら、自分の足りない部分を人に埋めてもらおうとしないから。
自分に足りない部分は、自分で埋めるしかないと知っている人も同じ。自分が励まされたいがために、パートナーを存在させようとはしません。それがエゴだってわかっているから。
愛とは「その人が存在していてくれればそれでいい」と思えること。
まだまだ私もその境地には達してないけど、そばにいる人(夫)がその愛を持っているから、夫を師匠に「その人が存在していてくれればそれでいい」と考えられるようになりたいです。
※2020年12月24日おうね。にて公開
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