光一さん
もともと結婚願望は強かった光一さん。社会人になってマッチングアプリを始めた。そこでお付き合いに至った方もいたが、結婚にはつながらなかった。29歳になり、結婚を見据えている方とだけ出会いたかったため、結婚相談所での活動を検討。中でもオーネットには、20代割プランがあったことと3カ月で結婚まで決めるといったルールがなく、恋愛の自由度が高いと感じたため入会を決めた。
たくさんの出会いを重ねながら「自分らしくいられる相手とはどんな人か」「どんな関係を築きたいのか」についてじっくり自分に向き合ったという彼女。そんな彼女が巡り合ったのは「自立している女性がいいな」と思って活動を始めたばかりの彼でした。ふたりがたどり着いた心地よい関係とは──そして、2回のプロポーズにはどんな想いが込められていたのか……。
もともと結婚願望は強かった光一さん。社会人になってマッチングアプリを始めた。そこでお付き合いに至った方もいたが、結婚にはつながらなかった。29歳になり、結婚を見据えている方とだけ出会いたかったため、結婚相談所での活動を検討。中でもオーネットには、20代割プランがあったことと3カ月で結婚まで決めるといったルールがなく、恋愛の自由度が高いと感じたため入会を決めた。
20代は仕事にまい進してきた夏美さん。27歳の時、年下のいとこの結婚式で祖父に「お前の結婚式を一番楽しみにしている」と言われたことをきっかけに婚活を決意。「彼氏が欲しい」ではなく、「結婚する」「子どもが欲しい」という自分のニーズには結婚相談所での出会いが合っていると感じた。たまたま電車の広告で見たオーネットに予約を入れ、店舗で話を聞いたうえで信頼できると感じたため入会した。
掲載されているお名前はいずれも仮名、年齢は取材時点のもの、都道府県名は活動時の居住地です
入会後、アドバイザーの「とにかく会ってみないことには話が進まないから、最初はとにかく会うように」というアドバイス通り、精力的に活動をスタートした夏美さん。初顔合わせが1日に2、3人という日もあったという。しかし「金銭感覚が合わない」「会話が続かない」などさまざまな理由で、なかなかこの人と思える人には出会えなかった。それでもなんとか立ち止まることなく動き続けた結果、出会った中で2人ほどお付き合いに至った。しかし、どちらもお付き合いして数カ月ほどで別れてしまった。
「相手が悪いとかではなく、自分は相手の求めているパートナー像と違っている気がして、自分らしく過ごすのが難しいんじゃないかと感じてしまいました……」と夏美さん。
そして、活動スタートから1年半が過ぎたころには、すっかり「婚活疲れ」に陥ってしまい、あまりマイページにもログインしなくなってしまった。活動休止も頭をよぎっていたそのタイミングで、光一さんからお申し込みをもらった。
「この人に会って終わりにしよう、そう思っていました」と夏美さんは振り返る。
ふたりのお話し掲示板の開設は、光一さんの入会月でもある2024年8月。カードゲームの趣味を持つ光一さんは、自分と同じではなくてもいいので、何かしら好きなことや趣味があるお相手を探したいと考えていた。写真付きプロフィールを見て検索・お申し込みができる「写真検索」で条件を入れて検索している時、たまたま夏美さんを見つけたという。
「プロフィールを読んで、自立している感じの人だなと感じて、好感をもったので申し込みました」と光一さん。
一方お申し込みをもらった夏美さんにも漫画やアニメの趣味があり、それに寛容な人がいいと考えていた。「自分の趣味がある人は、相手の趣味にも寛容な印象がありました。光一さんのプロフィールの趣味欄にカードゲームと書いてあったのでいいなと思いました」と夏美さん。また、光一さんのプロフィール写真の“にっこりフルスマイル”を見て「笑顔がかわいい人だな」と好印象を持ったという。
そして、掲示板の開設後、2、3ターンの会話後すぐに光一さんが初顔合わせに誘った。
2024年8月末、東京・新宿で夏美さんの仕事終わりに、夜ごはんを食べることになった。
お互いの第一印象について「夏美さんの仕事に対する熱意などを聞いて、とてもすてきな人だなと感じました」と光一さん。夏美さんも「まっすぐ目を見て、興味を持って聞いてくれているのが伝わるというか……。すごくちゃんと話を聞いてくれる人だなって思いました」と振り返る。
この日、1時間半ほどの時間で、お互いの趣味や仕事の話以外にも、結婚するにあたって譲れない条件についての話をしたという。夏美さんは「私の趣味に寛容な人、子どもが絶対いらないと思っていない人、今の仕事を辞めて家庭に入ってほしいと言わない人」と答えた。光一さんも同じ考えだったため、ふたりは連絡先を交換してまた会うことになった。
しかし、仕事の関係で土日の予定がしばらく見えなかった夏美さんが「またLINEで日程を決めましょう」と伝えると、光一さんは「連絡の頻度は週1とかがいいですかね?」と尋ねたという。その発言に対して夏美さんは、「え、週1⁉ 私は何か試されている⁉ それとも、そういう人⁉ 私に興味があまりない⁉ そんないろいろな考えが頭を駆け巡りました(笑)」と振り返る。
光一さんも、週1は少ないとは思いつつ、忙しそうな夏美さんのペースに合わせようと思ってそう尋ねたという。それは、夏美さんと掲示板で初顔合わせの約束のやりとりをしていた際に3日ほど返信がこなかったことがあり、「あまりメッセージでのやりとりは得意ではない人なのかも」と推測した結果の発言だった。
結局、その場で夏美さんが「いや、せっかくなので毎日しませんか?」と伝え、ふたりはそれから毎日連絡を取り合うことになった。
2025年3月 香川旅行にて
結局、次のデートまでの2週間、ふたりは毎日長文のやりとりをした。光一さんからのメッセージには、「平日はだいたい何時に寝ますか?」「炊事、洗濯、掃除について何かこだわりはありますか?」「恋人にこれをされたら嫌だなと思うことはどんなことですか?」など、夏美さんへの質問が書かれていた。質問→回答→深掘り→逆質問……そんなやりとりを2週間ほど続けたことで、お互いについて理解を深められたという。
「これから長く関係を築くにあたって、地雷になりそうなところは先に確かめておこうという気持ちがありました。それで、ねほりはほり聞いちゃいました」と光一さん。
夏美さんは「友達には『オンライン面接みたいだね(笑)』と言われましたが、このLINEのやりとりで、光一さんがとても誠実な人なんだなとわかりました」と話す。また、自分のことについても、面と向かって説明するのに少し勇気がいる内容でも、文字なら落ち着いて伝えられたという。
「『全部それでいいよ』という感じじゃなくて、私の意見を聞いたうえでちゃんと自分の意見も伝えてくれて。そういうところが信じられるというか、一緒に生きていくならこんな人がいいのかも、とその時に思いました」と夏美さん。
光一さんは、夏美さんと毎日メッセージをやりとりするのが習慣になるにつれて、夏美さんとお付き合いしたいと思うようになっていったという。そして、次の2回目のデートで夏美さんに告白することを事前に宣言した。
迎えた2回目のデートは9月中旬。東京・上野の東京国立科学博物館に、夏美さんが好きだという高山植物の展示を見に行った。展示を見て昼ご飯を食べ、緑道のベンチに座っているときに光一さんが「うわーどうしよう、ここで言ってもいいのかな……」と急につぶやいたという。
「『え? 心の声漏れてますよ』って言ってふたりで笑いました」と夏美さん。
その後、宣言通り「結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」と光一さんが告白をした。その告白に対して、夏美さんは「ぜひ。でも、本当に私でいいんですか?」と尋ねた。光一さんは入会してまだ1カ月もたっておらず、あまり他の方に会えていないのではないかと心配になったのだという。しかし、光一さんが迷いなく「はい」と答えたことで、ふたりは付き合うことになった。
2025年7月 婚約指輪の代わりにペアリングを作成
もともと、あまり人を好きになりにくいという“ほれっぽくないタイプ”の夏美さん。
「一目ぼれとかもあり得ないですし、好きっていう概念をあまり理解していないタイプの人間だったと思います……」と夏美さん。
そんな夏美さんが自分の気持ちを実感したのは、付き合って数回目のデートで夏美さんが光一さんに手料理をふるまった際のこと。
「料理も、基本的に自分のためだけにはあまり作ろうと思えないんですが、『おいしい』ってうれしそうにしてくれる彼のためだと苦じゃなく作れるんです。これが好きってことなんだろうな……とその時に思いました」と夏美さん。
ふたりは順調にお付き合いを続け、4カ月目にはお互いの家を行き来するようになった。結婚するにあたってお試し期間が欲しかった光一さんの提案で、週の半分はどちらかの家から仕事に行き、夜は一緒に過ごす、そんな日々がしばらく続いた。
早く結婚したいと思っていた夏美さんと結婚に慎重な光一さん。そんな平行線が続く中、2025年6月、光一さんの趣味であるカードゲームのショップで初心者向けのイベントが始まった。夏美さんも光一さんに誘われて一緒に通い始めた。そこで夏美さんが思いつきでひとつの提案をした。
「イベント期間中、私が3回中2回、あなたに勝てたら結婚してくれる?」
その提案を光一さんは了承した。夏美さんはその日から必死に練習し、10日後には光一さんから2回の勝利を収めてしまった。本当は勝てると思っていなかった夏美さんだったが、宣言通りに「私と結婚してもらえますか?」と光一さんに逆プロポーズをした。
「はい、結婚しましょう」と、夏美さんのプロポーズを了承した光一さんだったが、プロポーズは自分でしたいという気持ちがあったという。その時、次の週にあらためて自分から言わせてほしいと夏美さんに伝えた。
夏美さんに先を越されてしまった光一さんだったが、プロポーズについて考えていないわけではなかった。2月に夏美さんのご両親へあいさつし、5月には自分の両親にも夏美さんを紹介。いよいよプロポーズかと考えていた矢先の、夏美さんからの提案だったという。「カードゲームで負けるとは思わなかった」と光一さんは苦笑いを浮かべる。
逆プロポーズから1週間後、夜景の見えるレストランで、今度は光一さんから「この先も末永くよろしくお願いします。結婚しましょう」とプロポーズ、ふたりは無事に婚約した。
プロポーズの翌月7月には成婚退会し、お付き合いからちょうど1年後である9月の記念日にふたりは入籍する。夏美さんの入会のきっかけとなった結婚式も10月に行う予定だ。祖父に花嫁姿を見せられる日も近い。
お互いの好きなところについて──
夏美さんは、光一さんの優しさや、好きなことがありそれに熱中できるところをあげた。また、自分にない部分を持っていて尊敬できると感じるという。「この先も一緒にいるなら彼」と自然に思えたそうだ。
一方の光一さんは、夏美さんとの関係性が何より心地よく、自然体でいられることが結婚の決め手になったという。相手のために少し我慢してもいいと思えたことも、大きな気持ちの変化だったという。
あまりけんかはしないというふたり。もともと価値観があまり遠くなく、話し合うことで歩み寄れるのでカッとなって言い合うということはないそうだ。
でも、ふたりが出会い、自然と歩幅を合わせながら育んできた関係は、決して「相性がよかったから」だけではないだろう。違いをそのままにせず、「相手のために少しだけ自分を変えてみよう」「歩み寄ってみよう」とする気持ち──そんな小さな積み重ねこそが、心地よくてあたたかい関係性につながっているのだと感じられた。
「(婚活は)なんだかんだ大変だったけど……彼に会うための準備期間だったんだなと思うと、必要な時間だったなって思います」と話す夏美さん。その言葉の通り、ふたりは「出会えたこと」への感謝を胸に、これからも“ふたりらしさ”を大切に日々を重ねていけるだろう。
2025年7月 和装体験会にて
夏美さんは、周囲への自然な気遣いのできる真面目な頑張り屋さん。穏やかで柔らかな雰囲気ながらも、決めるときは決める! という決断力のある方でした。男性に対して、元々「好き」という感覚が薄いとおっしゃっていた彼女ですが、光一さんとお会いした時は「今日お会いした人が今までで一番ビビッと来ました!」と連絡をいただいておりました。ご活動を通じて、忙しい中でもたくさんの方に会う努力をされ、ご自身の理想や相性の合うお相手像がより明確になった結果だと思います。
婚活は、思い通りに進むことばかりではありません。「いいな」と感じた方とご縁がつながらないこともあれば、まだ気持ちが追いつかないままアプローチをいただくこともあります。出会いの中で価値観や考え方の違いに驚いたり、緊張で少し疲れてしまうこともあるかもしれません。それでも、この活動は“たったひとり”の運命のお相手に出会うためのものです。人生は一度きり。その一歩が、思いがけないご縁につながるかもしれません。
もし途中で立ち止まりたくなったり、気持ちを誰かに聞いてほしいと感じたら、ひとりで抱え込まずにアドバイザーへご連絡ください。あなたが安心して歩き出せるよう、そっと背中を押します。(銀座店アドバイザー)
記事内には取材カップルからご提供いただいた写真が含まれています。また、コメントを掲載しているアドバイザーの所属店舗は会員さまの活動当時のものです
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