「とにかく行動！」の彼女を支えた"第三者の目線"

社会人になり、結婚というよりまずは彼氏が欲しいと思ったという杏奈さんだったが、医療関係の職場は女性ばかりで、出会いのなさという壁にぶつかった。それなら結婚をメインに考えて結婚相談所で活動しよう、と選んだのがオーネットだった。

そんな杏奈さんが、入会後すぐに自分から「お話しましょう」申し込みをしたのが翼さんだった。写真検索に並ぶ男性はきりっとした表情の写真が多い中で、優しそうな顔でほほえんでいた翼さんが目に留まった。2023年10月にお話し掲示板が開くと、長文で返信をしてくれる翼さんに対して、「丁寧な方だな」と感じたのが第一印象だった。青森と岩手という遠距離の出会いだったため、杏奈さんの誘いで初顔合わせの前にまずはビデオ通話をすることになった。

一方杏奈さんより2カ月早く入会していた翼さんは、掲示板でのやりとりを通して杏奈さんに「明るくてしっかりしているかわいらしい方」という印象を持っていた。しかし、ビデオ通話機能を初めて使用した翼さんは、緊張してしまいその日何を話したかもあまり覚えていないという。

杏奈さんはメッセージの印象から翼さんを「たくさん話す方」と予想していたため、口数少なく大人しい様子に「あれ？」とギャップを感じてしまったという。しかし、基本メッセージのやりとりで違和感のなかった方には会ってみる、というスタンスで活動していたため、「緊張していただけかもしれないし、次に進むかは会ってから決めよう」と思っていた。

2023年11月、翼さんが青森県弘前市のカフェまで出向く形で初顔合わせが行われた。今回も誘ったのは杏奈さんで、ビデオ通話を経て緊張がほぐれ、少し素が見えるようになった翼さんの様子に、明るくて話も合う良い人だなと印象が良くなったという。この時並行して他の方ともお会いしていた杏奈さんだが、翼さんには何か他の方とは違う魅力を感じ「ピンと来た」と振り返る。

一方翼さんは、杏奈さんに対して「写真より会った方がよりかわいらしい方」と感じたという。ビデオ通話の際に杏奈さんの父が翼さんと同じ自衛官だという共通点が見つかったこともあり、特に仕事についての会話が弾んだ。

「結構ガツガツいくタイプ」と自称する杏奈さんは、翼さんを意識し始めてから「舞い上がって周りが見えていないのでは」「グイグイいくと引かれて嫌われてしまうのでは」と心配になり、やりとりや行動に対して「次はこう言いたいけど、客観的に引かれてしまう発言に見えないか」など、第三者目線でどう思うかをアドバイザーに度々相談していたという。
例えば、2回目のデートで岩手まで来てくれた杏奈さんに対して「乗せて行くよ」と翼さんが車を出してくれるという出来事があった。次のデートは翼さんに青森に来てもらう予定だったこともあり「また車お願いしてもいいと思いますか？ ずうずうしくないですか？」と杏奈さんはアドバイザーに確認したという。

「そういうことを当たり前と思わず要所要所で確認してくれる杏奈さんは、メリハリがあってきちんとしていると思っていた」という翼さんは、杏奈さんの前のめりな姿勢を最初は少し感じていたが、嫌な気持ちになったことはないと振り返る。

そんなふたりが結婚を意識したのが、2023年12月の3回目のデートで、午後から水族館に行き、夕方に翼さんの車でクリスマスマーケットを回るプランだった。

大きなクリスマスツリーを見たり、出店で買ったものを食べたりしてデートを楽しむ過程で、
「お互い安心して気を遣わずにいられていることに気づき、杏奈さんとなら夫婦になりたい」と思ったという翼さん。

杏奈さんも「まだ付き合っていなかったけれど、恋人みたいに楽しいデートができた」と振り返る。翼さんに対する不安はこの時点で全くなく、この人となら一緒に生活しても楽しく暮らせるかもしれない、とこの日のデートで感じていた。

クリスマスマーケットでのデートから1週間後、岩手のイルミネーションがきれいな場所を紹介しようと翼さんが誘い、雪の降る中ふたりでクリスマスのイルミネーションを見に行った。帰り際の車の中で翼さんが

「俺たち付き合ってみない？」とストレートに告白。

「その時にはもう翼さんが好きだったので、いつでも告白してほしいと思っていたし、彼の勇気が出ないようなら私から言おうと思ってました」と杏奈さんは笑う。

そんな告白からふたりの交際が始まり、一週間後の年末、今度は杏奈さんが手料理をふるまおうと翼さんを青森の自宅に招待した。杏奈さんが作ったおでんをふたりで食べながらテレビを見て、たわいもない話で盛り上がったこの日は、ふたりの距離がより近づいた日になったという。

「翼さんが初めての恋人だったので、それまではどこか遠く漫画の中の出来事だった恋愛や恋人をこの日実感できて、ちょっと感動しました」と話す杏奈さん。

そんなふたりにお互いを選んだ決め手を聞くと、翼さんは、杏奈さんの「明るくてしっかりしているところ」が魅力だと語る。
「自分がネガティブに考えてしまうことが多いので、彼女のポジティブに励ましてくれるところが良いなと思います」
また、少しおっちょこちょいな面があるという翼さんは、しっかりしている杏奈さんが助言したり支えてくれるため、自分の足りないところを補ってくれる存在だと感じるそう。

そんな杏奈さんは翼さんに対して、料理が苦手でも一緒に学んで手伝おうとしたり、「段差あるから気を付けて」といったちょっとした言葉をかけてくれるところがいいところだと語る。
「私はそういうのができなくて、ガンガン行くタイプ」と笑う杏奈さん。たまにボケて笑わせてくれるなど、翼さんは一緒にいると笑顔になれる存在なのだという。

2024年7月に両親へのあいさつを済ませ、9月に成婚退会となったふたりは、ある程度予定も落ち着いてきた11月に函館に旅行に行った。百万ドルの夜景と言われる函館山のレストランに行き、おいしい食事を楽しんだ後、杏奈さんの元へ「大切なあなたへ。結婚しよう」と書かれたサプライズケーキが運ばれてきた。

「明るく楽しい家庭を築いていきましょう。結婚してください」
その日の天気は雲一つない空で、文句なくきれいな夜景が見える中、指輪とともにプロポーズをした翼さん。

「プロポーズは展望台かな、とのんびりしていたのでびっくりしました」という杏奈さん。

実は翼さんの知人の中でプロポーズを函館でした人が多く、いろいろとリサーチした結果、展望台は混むためレストランを予約するプランになったという。当日は予想通り展望台は混み合っていたため、大正解だったと翼さんは語る。

2024年12月に入籍したというふたりに婚活を振り返っての感想を聞くと、翼さんは「いろいろな人とつながって嬉しい気持ちもあったが、振られて落ち込んだ経験もした」という。うまくいかない原因がわからず思い悩むこともあったが、お相手のことを気遣ってまずは話を聞く姿勢を大切にしたことが成婚に至ったポイントだと語る。

「いろいろな出会いがあって楽しかった！」という杏奈さんは、婚活成功のポイントとして「女性だからと受け身にならずとにかく行動すること」「行き過ぎた行動をしていないかアドバイザーを活用して確認したこと」を挙げる。“ちょっと勇気を持ってお誘いする”ことが今回の成婚につながった。

溜め込まないで思っていることをはっきり言うタイプの杏奈さんと、一度聞いてから冷静に考えて結論を出すタイプの翼さんは相性が良く、問題が起きても大きな火種になる前に解決できるため、一緒にいてもほとんどトラブルは起きないという。

「明るく笑顔が絶えない、安らぎのある温かい家庭を築きたい」と話すふたりは、これからもお互いを支え合って生きていく。